データとテクノロジーで、事業成果を判断する基盤をつくる

広告の接点と、実際の取引をつなぐ

問い合わせは増えているのに、どの広告が受注や継続につながったか分からない。原因は分析の難しさだけでなく、広告、フォーム、顧客管理、売上台帳の間で情報が途切れていることにもあります。MemoriaLabは、分かれている記録を結び、事業成果を確かめられる基盤をつくります。広告運用を支援する立場から「どの判断に使う情報か」を整理し、システム開発まで含めて実装します。

何を成果として測るかを決める計測設計に対し、この支援では、決めた成果を各システムから取り出し、同じ案件として正しくつなぎ、更新し続けられる状態を整えます。顧客の期待と購入後の結果を結ぶことも、連携の目的に含めます。

クリック、人、案件を分けて整理する

広告のクリック、問い合わせをした人、一件の商談は、それぞれ別の記録です。一人の顧客が広告を何度か見て、複数回相談し、後日二つの商品を購入する場合もあります。これらを一つの番号だけで扱うと、問い合わせの数を人数と取り違えたり、一件の売上を複数の広告に重ねて計上したりしかねません。

まず流入情報、問い合わせ番号、顧客番号、案件番号、受注番号が、どこで発行・保存されているかを確認します。フォームで受け取った流入情報を問い合わせに残し、その後に作られる顧客・商談へ引き継ぐ流れを設計します。広告クリックを識別する情報と、社内の顧客を識別する情報を区別し、どの接点とどの案件が対応するかをたどれる構成にします。

広告の流入情報を問い合わせと顧客管理へ渡し、受注まで照合する仕組み
図:広告と事業成果を結ぶデータの流れ(説明用)

同じ顧客を見つけ、複数の取引を残す

氏名の表記が同じだけでは、同一人物とは判断できません。逆に同じ顧客でも、連絡先の変更や別の窓口からの相談で、記録が分かれることがあります。会員番号などの確かな識別子を優先し、使える情報と確認手順に応じて、同一顧客の記録をまとめる名寄せのルールを決めます。自動で確定できないものは確認対象として残し、似た記録を無理につなげません。

例えば、一人の顧客が初回購入と追加購入を行ったケースでは、顧客は一人、注文は二件として保持します。複数の注文を一つの問い合わせへ結び付ける場合も、顧客数・案件数・売上の集計単位を分けます。追跡できない流入は「不明」として把握し、つながった一部の記録だけを全顧客の傾向とみなさないようにします。

返品や更新まで含めて、成果を反映する

連携は新しい行を追加すれば終わり、という仕事ではありません。同じファイルの再取り込み、注文内容の変更、後日のキャンセルや返金によって、集計は変わります。受注番号などを手がかりに、既存の記録を更新する処理と、新しい取引を追加する処理を分けます。売上を修正するときは、どの取引がいつ、なぜ変わったかも追えるようにします。

例えば受注後に一部返金が発生した場合、元の受注を消すのではなく、返金を反映した金額と変更履歴を管理する方法を検討します。過去分の訂正をどこまで再集計するか、売上台帳と広告分析で同じ修正をどう扱うかも決めます。媒体へ成果を返却する場合は、訂正の対応範囲や期限、送信結果まで確認し、社内の修正が自動的にすべての媒体へ伝わるとは考えません。

接続後も、欠けた情報と更新の遅れを見る

APIやファイルなど、既存環境に合う接続方法を選び、実装後は元データと件数・金額を照合します。「処理が動いた」という記録だけでなく、最後に更新された時刻、取り込めなかった案件、顧客へ結び付かなかった件数も確認します。一部だけ取得できた場合に、それを正常な全件データとして使わないことが大切です。

また、売上台帳は翌日更新、広告費は当日途中の値という状態では、比率の変化を誤って読んでしまいます。更新の前提を見えるようにし、異常に気付いた担当者が原因を調べ、必要な範囲だけ再取り込みできる手順を用意します。利用目的に必要な情報と閲覧権限を絞り、分析先へ渡す情報もサービスごとの条件に合わせます。

定義をそろえ、集計を照合し、売上を基準に改善する三つの確認
図:連携したデータを意思決定へ使うための確認(説明用)

つながった数字から、次に調べることを決める

基盤が整うと、問い合わせ単価と受注率、初回売上と継続売上を合わせて確認できます。例えば、問い合わせは安く取れるのに受注が少ない経路なら、広告で伝えた内容と相談者の期待、初回対応、提案内容を確かめる手がかりになります。逆に継続が多い経路では、その顧客が選んだ理由を調べ、訴求や予算の仮説へつなげます。

ただし、広告と受注を結び付けた集計だけで、広告によって新たに増えた売上まで証明できるわけではありません。紹介や店舗などの接点も踏まえて読み、必要な比較検証を組み合わせます。数字の差、考えた理由、実行した施策を残し、連携した情報を次の顧客理解に使います。

運用する人が、数字の成り立ちを追えるように

支援範囲に応じて、データの関係図、項目の対応表、名寄せ・更新のルール、照合結果、監視と復旧の手順を共有します。誰が元情報を修正し、誰が連携を管理するかまで決めることで、担当者が変わっても継続できる状態を目指します。

相談時には、利用中の広告媒体、フォーム、顧客・受注管理の方法と、判断できずにいることをお聞かせください。個人情報を伏せた項目一覧や管理表の見本でも整理を始められます。まず一つの流入経路と成果の関係を確かめ、必要な接続を段階的に広げます。

参考資料

関連ページ:広告効果計測 / Roasync / CRM設計・連携

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